SCP-2935――死んだ世界から帰ってきたもの

SCP資料
司書
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ようこそ、深夜資料室へ。

もし世界中の人間が死んだら。

その光景は想像できるかもしれません。

もし動物も死んだら。

それも想像できるでしょう。

では。

虫も。

魚も。

木々も。

細菌も。

そして死なないはずの存在までも死んだとしたら。

その世界には何が残るのでしょうか。

今夜の資料はSCP-2935。

ある洞窟の先で発見された、死んだ世界の記録です。

ですが。

この作品の本当の恐怖は、死んだ世界そのものではありません。

それは、

死んだ世界から帰ってきたものの記録です。

SCP概要

司書
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SCP-2935はインディアナ州ジョッパ近郊の墓地地下に存在する洞窟です。

その奥には、私たちの世界とほぼ同じ別世界が存在しています。

そうめん
そうめん

別世界?

パラレルワールドみたいな?

司書
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そう考えて問題ありません。

ただし、その世界には決定的な違いがあります。

2016年4月20日。

その世界の生命は、ほぼすべて死んでいました。

そうめん
そうめん

ほぼ?

司書
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人間だけではありません。

動物。

植物。

微生物。

そして異常存在までもです。

だからこそ、この世界は異常でした。

食卓に残された死

司書
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調査隊が最初に発見したのは、一軒の民家でした。

食卓には家族が座っています。

父親。

母親。

子供。

全員が死んでいる。

しかし奇妙なことがありました。

食事は腐っていなかったのです。

死後数ヶ月が経過しているにもかかわらず。

そうめん
そうめん

腐ってない?

なんで?

司書
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腐敗には微生物が必要です。

しかし、その世界では微生物すら死んでいました。

だから何も腐らない。

何も分解されない。

ただ死だけが残るのです。

司書
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誰もいない食卓。

乾かない料理。

崩れない死体。

まるで時間そのものが止まってしまったような光景でした。

音のない世界

司書
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外へ出た調査隊は、さらに異常に気付きます。

鳥の声が聞こえない。

虫の音が聞こえない。

車の走行音もない。

ただ風だけが吹いている。

世界は存在している。

街もある。

道路もある。

建物もある。

けれど。

そこには生きているものが何一つ存在しません。

そうめん
そうめん

それ地味に嫌だな。

司書
司書

ええ。

SCP-2935は派手な恐怖ではありません。

静かな恐怖です。

音が消えた時。

人は初めて生命の存在に気付くのかもしれません。

財団施設も死んでいた

司書
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調査隊はその世界のSite-81へ向かいます。

そこにも職員たちの死体がありました。

施設の電力は生きている。

自動システムも稼働している。

緊急放送も流れ続けている。

しかし。

誰も応答しません。

誰も助けを求めません。

誰も生きていないからです。

そうめん
そうめん

なんかホラーというより寂しいな。

司書
司書

その感覚は正しいと思います。

死んだ世界というより、

生きることを忘れた世界に近いのかもしれません。

死ねないはずのもの

司書
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調査が進むにつれ、さらに異常な事実が判明します。

その世界では異常存在までも死んでいました。

そして。

SCP-682。

財団世界で最も有名な不死身の存在の一つです。

あらゆる実験を生き延びてきた怪物。

その682ですら死亡していました。

そうめん
そうめん

ちょっと待て。

あいつ死ぬの?

司書
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本来なら死にません。

だからこそ、この世界の死は異常だったのです。

それは病気でも。

事故でも。

災害でもありません。

もっと根本的な何かでした。

最後の警告

司書
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調査隊は最終的にSite-19へ到達します。

しかし状況は悪化します。

施設は崩壊寸前。

記録機器も故障。

そして核装置の起動。

隊員のケラーは回収したデータをドローンへ積み込みます。

そして最後にこう告げました。

「封鎖しろ」

「これを閉じ込めろ」

彼は何かに気付いていました。

世界が死んだ理由に。

そして。

それがまだ終わっていないことに。

死んだ世界から帰ってきたもの

司書
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回収された音声ログには、さらに恐ろしい事実が残されていました。

別世界のケラーもまた、この死んだ世界を発見していました。

そして洞窟を通り、自分の世界へ戻ります。

その後。

彼の世界でも同じことが起きました。

すべてが死んだのです。

そうめん
そうめん

つまり……。

司書
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ええ。

彼は気付いたのでしょう。

死んだ世界を見つけたのではない。

何かを連れて帰ってしまったのだと。

その正体は分かりません。

原典も明言しません。

しかしケラーは、自分自身を原因だと考えました。

そして封鎖を望んだのです。

死んだ世界を見た者

司書
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SCP-2935を読むと、一つの疑問が残ります。

死んだ世界を見た者は、ただの目撃者なのでしょうか。

それとも。

死を運ぶ者になってしまうのでしょうか。

この作品は最後まで答えません。

洞窟の正体も。

死の正体も。

説明されません。

ただ。

一つだけ確かなことがあります。

ケラーは最後に封鎖を望みました。

彼は死んだ世界を恐れたのではありません。

その世界から帰ってくることを恐れたのです。

まとめ

司書
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SCP-2935は死んだ世界の物語です。

ですが本当に恐ろしいのは、その光景ではありません。

腐らない食卓。

音の消えた街。

死んだ異常存在。

それらは全て前座です。

本当の恐怖は。

その世界から何かが帰ってきたかもしれないこと。

そして。

それが何なのか最後まで分からないことです。

司書
司書

死んだ世界を見た者は、ただの目撃者なのでしょうか。

それとも。

死を運ぶ者になってしまうのでしょうか。

司書
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今夜の記録はここまでです。

また次の資料でお会いしましょう。

出典

作品名:SCP-2935 – O, Death

作者:djkaktus

原典:https://scp-wiki.wikidot.com/scp-2935

ライセンス

SCP-2935 “O, Death” by djkaktus is licensed under the Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License.

SCP Foundation is licensed under CC BY-SA 3.0.

おまけ

そうめん
そうめん

司書、もし向こうの世界行ったらどうする?

司書
司書

帰ります。

そうめん
そうめん

帰ってくるなよ。

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