奇妙な記録

奇妙な記録

帰ってきた場所は、本当に「元の世界」なのか――SCP-3515と帰還できない恐怖

暗い穴を覗き込む。底は見えない。危険かもしれない。何もないかもしれない。それでも私たちは、少し気になる。この先には何があるのだろう。人間は昔から、知らない場所へ進んできた。海を渡った。山を越えた。洞窟へ入った。空へ上がり、ついには宇宙へも出...
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知らないほうが幸せな真実はあるのか――SCP-2718と「死後を知る恐怖」

知らないことは、不安だ。だから人は、答えを求める。病気なら診断を受ける。道に迷えば地図を見る。分からない現象があれば、その仕組みを調べる。知らなかったことを知る。それによって世界は少しずつ理解できるものになっていく。だから私たちは、基本的に...
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死なないことは、本当に幸せなのか――SCP-7179と「永遠」の終わり

人は昔から、不老不死を夢見てきた。老いない身体。終わらない時間。病気や寿命に怯える必要もなく、まだ見ぬ未来をどこまでも見届けることができる。もし本当に手に入るなら、欲しいと思う人は少なくないだろう。だが、ここで一つだけ条件を変えてみる。「好...
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なぜ「終わりのない場所」は怖いのか――SCP-087と、底の見えない階段

暗い。狭い。先が見えない。それだけなら、人はまだ耐えられる。懐中電灯を持てばいい。慎重に進めばいい。怖くなれば、引き返せばいい。だが。階段を一段降りる。さらに一段。踊り場を曲がる。また階段がある。もう一つ踊り場を曲がる。それでも。終わりが見...
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死んでから愛されても、それは愛なのか――SCP-1787-JP「ただあなたの傍に咲く」

一人の女性の周囲に、青い花が咲く。芽が現れてから開花までは、ほんのわずかな時間。花は青いバラを思わせる姿をして、ラベンダーに似た香りを放つ。だが、奇妙な性質がある。女性本人がその花を視認すると、花は枯れてしまう。近づいても同じだ。だから花は...
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終末が少しずつ近づくなら、人はいつ日常を諦めるのか――SCP-3649と空を覆う雲

世界の終わりには、派手なイメージがある。巨大な隕石。核戦争。未知の怪物。ある日突然、それまでの日常が破壊される。だが。終末がもっと遅かったらどうだろう。今日も会社へ行ける。店も開いている。電気もつく。家族と夕食も食べられる。ただ一つ。昨日よ...
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誰にも知られなくても、その行為に意味はあるのか――SCP-1983と「名もなき英雄」

英雄には、名前がある。歴史に残る人物。大勢を救った消防士。戦場から仲間を連れ帰った兵士。命を懸けて誰かを守った人。私たちは、その行為を知ることで彼らを英雄と呼ぶ。では。誰も見ていなかったら。拍手もない。帰還もない。自分の行為が成功したのか確...
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「世界で一番の宝物」は、いつまで宝物でいられるのか――SCP-120-JPと変わっていく価値

子どもの頃、世界で一番大切だったもの。ぬいぐるみ。石ころ。カード。海岸で拾った貝殻。大人から見れば、ほとんど価値がないものだったかもしれない。それでも子どもにとっては、本物の宝物だった。枕元に置く。話しかける。外へ出かけるときにも持っていく...
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昨日まで存在した世界を、あなたは証明できるか――SCP-280-JP「縮小する時空間異常」

目の前から、何かが消える。それだけなら、私たちは消えたことに気づける。昨日まで建っていた家がなくなれば、不思議に思う。知人が突然いなくなれば、探す。写真や記録を調べれば、少なくとも「かつて存在した」という痕跡は見つかるかもしれない。では。何...
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叶わなかった夢を、誰かが最後まで聴いてくれたなら――SCP-548-JPと雨の中の演奏会

夢が叶わなかった人は、世の中にいくらでもいる。途中で諦めた人もいれば、環境が変わった人もいる。そして、自分ではどうすることもできない理由で、その場所まで辿り着けなかった人もいる。もし、その人がいなくなったあとも夢の続きだけが残っていたらどう...