
ようこそ、深夜資料室へ。
人は扉を見ると、
その先を知りたくなります。
それが古びた納屋の扉であっても。
それが決して開けるべきではない扉であっても。
今夜の資料はSCP-1983。
財団が発見した一枚の扉。
そして、
その向こう側で見つかった世界の記録です。

SCPの扉って時点で嫌な予感しかしないな。
SCP概要

SCP-1983は古い納屋の内部で発見された異常な扉です。
扉の先には未知の空間が広がっています。
財団はその調査のため、
複数回にわたり探索隊を派遣しました。

異世界調査か。
ちょっとワクワクするな。

探索隊も最初はそうだったかもしれません。
ですが、
調査が進むにつれてその感情は消えていきます。
探索隊が見たもの
扉の先には荒廃した大地が広がっていた。
建物があった。
道路があった。
街の名残もあった。
だがどれも壊れていた。
風景には奇妙な違和感がある。
異世界のようでいて、どこか見覚えがあるのだ。
探索隊は進む。
その世界の正体を知るために。

異世界なのに見覚えがあるって変だな。

ええ。
そして探索隊は住民と遭遇します。

住民?

正確には、
人間によく似た何かです。

人間じゃないのか?

少なくとも探索隊はそう判断しました。
ですが、
それも後になると少し怪しくなってきます。
増えていく違和感
探索記録が増えるほど、
未知は減っていく。
その代わりに違和感が増えていく。
建築物。
生活の痕跡。
残された文明。
それらは異世界のものとしては、
妙に人類に近すぎた。

なんか嫌な方向に話が進んでるな。

そうですね。
読者の多くもこの辺りで同じ疑問を抱きます。
なぜ向こう側には、
人類の痕跡ばかり残されているのか。

……。

そしてもう一つ。
そこには繁栄の痕跡よりも、
滅亡の痕跡の方が多かったのです。
扉の向こう側はどこだったのか

結局さ。
あそこって何なんだ?
異世界なのか?

作品は最後まで明言しません。
ですが、
一つの解釈があります。

未来か。

ええ。
滅びた未来の地球。
そう考えると、
多くの違和感が説明できるのです。

でも断言はできないんだろ?

できません。
だからこそ怖いのです。
もし明確に未来だと書かれていれば、
それは設定になります。
ですが1983は違う。
読者自身に考えさせる。
だから読み終えた後も、
あの世界が頭から離れないのです。
なぜ1983は今も語られるのか

SCP-1983には強力な怪物が登場します。
探索隊が遭遇する脅威もあります。
ですが、
多くの読者が覚えているのは怪物ではありません。
あの世界そのものです。

確かに。
なんか景色の方が怖い。

ええ。
そこには希望がありません。
文明は終わり、
人類も変わり果てている。
そして何より恐ろしいのは、
その世界が私たちと無関係だと言い切れないことです。
扉の向こう側に広がっていたのは、
未知の世界だったのかもしれない。
あるいは、
知りたくなかった世界だったのかもしれない。
まとめ

SCP-1983は異世界探索の物語です。
しかし読者の記憶に残るのは、
冒険でも怪物でもありません。
探索によって明らかになっていく違和感です。
向こう側は本当に異世界だったのか。
あの住民たちは何だったのか。
あの文明はなぜ滅んだのか。
作品は多くを語りません。
だからこそ、
読者は考え続けることになります。
そして気付くのです。
本当に恐ろしいのは扉の向こう側ではなく、
そこに自分たちの面影を見つけてしまうことなのだと。

今夜の記録はここまでです。
また次の資料でお会いしましょう。
出典
作品名:SCP-1983「Doorway to Nowhere」
著者:Tanhony
原作:
https://scp-wiki.wikidot.com/scp-1983
SCP Foundation:
https://scp-wiki.wikidot.com/
ライセンス
本記事はCC BY-SA 3.0ライセンスのもと公開されているSCP Foundationの設定・文章を引用・翻案しています。
ライセンス:
https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/

なあ司書。

なんでしょう。

扉って開けない方が平和だな。

人類はそれが苦手なんです。



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