
ようこそ、深夜資料室へ。
SCP財団には数え切れないほどの怪物が存在します。
人を襲うもの。
精神を破壊するもの。
世界そのものを終わらせるもの。
今夜の資料もまた異常存在です。
ですが、この資料には少し変わった特徴があります。
SCPファンの間で、
「会いたいSCPは?」
という話題になると。
必ずと言っていいほど名前が挙がる存在。
SCP-4999。
それは恐怖の対象ではなく、
どこか救いのように語られる異常存在です。
SCP概要

救い?
SCPなのに?

SCP-4999は高齢の男性の姿をしています。
古びたスーツ。
帽子。
そして煙草。
一見するとただの老人です。
しかし彼には一つの特徴があります。

どんな?

死の直前に現れるのです。
ただし、
誰にも看取られない人の前にだけ。

……。

そして彼は何もしません。
襲いません。
脅しません。
契約も持ち掛けません。
魂を奪うわけでもありません。
ただそこにいて、
最後まで付き添います。
最後の訪問者
病室は静かだった。
面会者はいない。
時計の音だけが響いている。
医師も看護師も部屋を離れ、
そこには一人の患者だけが残されていた。
もう長くはない。
それは本人も理解している。
目を閉じる。
そして再び開く。
すると、
部屋の隅に誰かが立っている。
古びた帽子を被った老人。
見覚えはない。
だが不思議と恐ろしくもない。
老人は何も言わない。
近付いても来ない。
ただ静かにそこにいる。
時間だけが過ぎていく。
やがて患者は最後の呼吸を迎える。
その瞬間まで、
老人は部屋を離れなかった。
なぜ人々はこの存在を愛するのか

優しい話じゃん。

ええ。
だからこそ人気があるのです。
ですが本当に人々が愛しているのは、
4999そのものではありません。

違うの?

4999が現れる状況です。
彼が現れるのは、
誰にも看取られない死。
家族もいない。
友人もいない。
最後の瞬間を共有する相手がいない。
そんな時だけです。

……そっちの方が辛いな。

4999は孤独を作った存在ではありません。
孤独を埋めるために現れます。
だから読者は恐怖よりも、
安堵を覚えるのです。
SCP財団の世界だからこそ

SCP財団の世界は残酷です。
救われない話もあります。
絶望しか残らない話もあります。
死より恐ろしい運命を描いた作品もあります。

2718とか7179とかだな。

ええ。
だからこそ4999は特別です。
異常存在でありながら、
人間らしい優しさを持っている。
そのギャップが読者の心に残ります。
まとめ

SCP-4999は強大な怪物ではありません。
世界を滅ぼす存在でもありません。
ですが、
多くの読者の記憶に残り続けています。
なぜならこの作品が描いているのは、
異常存在の恐怖ではなく、
人間の孤独だからです。
そして4999は、
その孤独な最期に寄り添います。
何も解決はしません。
死を止めることもありません。
それでも、
最後の瞬間に一人ではない。
それだけで救われる人がいるのかもしれません。
SCP財団の世界には数え切れないほどの怪物がいます。
しかしその中で、
「もし会うならこの存在がいい」
と語られる異常存在は多くありません。
SCP-4999は、
人類を救う存在ではありません。
世界を変える存在でもありません。
ただ最後の瞬間に、
「誰も来なかった場所へ来てくれる存在」
なのです。

今夜の記録はここまでです。
また次の資料でお会いしましょう。
出典
作品名:SCP-4999 – Someone To Watch Over Us
作者:Caprao
原典:https://scp-wiki.wikidot.com/scp-4999
ライセンス
SCP-4999 – Someone To Watch Over Us by Caprao is licensed under the Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License.
SCP Foundation:https://scp-wiki.wikidot.com/
ライセンス:CC BY-SA 3.0

SCPの中で珍しく会いたいと思った。

会わない方が良い状況ではありますがね。

それもそうだった。



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