奇妙な記録

奇妙な記録

録画された過去が「未来」を知っているのはなぜか――SCP-1981と終わらない演説

録画映像には、ひとつの安心感がある。映っている出来事は、すでに終わっているということだ。何度再生しても、過去は変わらない。昨日撮影した映像なら、明日見ても同じものが映る。だから私たちは、映像を「記録」として残すことができる。だが、再生するた...
奇妙な記録

扉を開けていないのに、なぜ「そこにいる」と分かるのか――SCP-303と見えない恐怖

閉じた扉の向こうに何があるのか。普通なら、開けるまで分からない。誰かがいるかもしれないし、何もないかもしれない。私たちが怖がっているのは、その「分からなさ」のはずだ。ところが、扉の向こうにいるものを一度も見ていないのに、その姿を知っていたら...
奇妙な記録

クリスマスの「玩具」は、誰が作っていたのか――SCP-4666と12夜のユールマン

12月になると、世界のさまざまな場所で「夜にやってくる何か」の話が語られる。サンタクロースだけではない。良い子には贈り物を与え、悪い子には罰を与える。冬の夜と怪物が結びついた伝承は、決して珍しいものではない。SCP-4666も、その系譜を思...
奇妙な記録

死んでも次の再生で生き返るなら、人は何をしてしまうのか――SCP-1733と終わらない開幕戦

録画されたスポーツ中継は、何度再生しても同じ結果になる。選手が別のシュートを選ぶこともなければ、観客が昨日とは違う歓声を上げることもない。そこにあるのは、すでに終わった試合の記録だ。では、その映像の中にいる人々だけが、前回の再生を覚えていた...
奇妙な記録

「怪物」と呼んだのは誰だったのか――SCP-856と川を守っていたもの

人を襲う存在がいる。近づけば傷つけられ、ときには命を奪われる。そう聞けば、それを「怪物」と呼ぶことにあまり迷いはない。ましてや財団の仕事は、異常存在を確保し、人間社会から隔離することだ。危険な存在が川に棲みついているなら、周囲を封鎖する。そ...
奇妙な記録

言葉どおりに願いが叶うなら、何を頼めば安全なのか――SCP-294と「何でも出せる」コーヒーマシン

願いを叶える道具には、たいてい条件がある。「三つまで」「代償が必要」「言い方を間違えると別の意味に解釈される」。昔話から現代のフィクションまで、願いには危険が付きものだ。SCP-294も、それに少し似ている。ただし魔法のランプではない。見た...
奇妙な記録

幸せな夢から、なぜ目覚めなければならないのか――SCP-1230と200年を生きた男

剣を手に怪物を倒す。見知らぬ土地を旅し、仲間と出会い、国を築く。現実ではできないことを自由に経験できる世界が、眠るたびに待っている。そんな夢を見るための本があったなら、一度くらい開いてみたいと思う人は少なくないだろう。しかも、その夢は普通の...
奇妙な記録

どんな世界へ行けても、帰る場所を選べないなら――SCP-507と終わらない異世界旅行

「異世界へ行ける」と聞けば、そこには冒険の匂いがする。見たことのない文明、違う歴史を歩んだ地球、人類とは別の生物が暮らす世界。帰りたいときに帰れるなら、それは究極の旅行と言ってもいい。だが、行き先も出発時刻も帰還時刻も、自分では一切決められ...
奇妙な記録

誰にも気づかれない自由は、いつ孤独に変わるのか――SCP-268と忘れられる帽子

誰にも気づかれずに歩けたら、何をするだろう。人混みを気にせず移動できる。入りづらい場所にも入れる。誰からも話しかけられず、一人になりたいときには完全に一人でいられる。そんな力を一度くらい欲しいと思ったことがある人もいるかもしれない。しかし、...
奇妙な記録

「可愛い」だけで、なぜ私たちは信用してしまうのか――SCP-1048と最悪のテディベア

危険なものには、危険そうな姿をしていてほしい。鋭い牙がある。異様な音を出す。近づけば本能的に逃げたくなる。そうであれば、私たちは最初から警戒できる。では、小さなテディベアだったらどうだろう。足元へ駆け寄って抱きつき、楽しそうに踊り、ときには...