SCP-4666――最後に残るのは玩具だけ

SCP資料
司書
司書

ようこそ、深夜資料室へ。

クリスマスと聞いて、

何を思い浮かべるでしょうか。

プレゼント。

家族団欒。

暖かな食卓。

雪景色。

本来なら、

幸せな記憶と結び付く行事です。

ですが。

毎年その時期になると、

家族ごと消えてしまう記録があります。

今夜の資料はSCP-4666。

ユールマンの記録です。

SCP概要

そうめん
そうめん

ユールマン?

司書
司書

SCP-4666に付けられた通称です。

そうめん
そうめん

サンタクロースみたいな名前だな。

司書
司書

ですが、その正体はまるで違います。

SCP-4666は人型実体です。

異様に背が高く、

痩せ細った老人のような姿をしています。

そして毎年、

12月21日から1月2日までの期間だけ活動します。

財団はこの期間中に発生する被害を、

『ヴァイスナハト事象』と呼んでいます。

被害者の多くは、

幼い子供がいる家族でした。

最初の夜

全ては小さな違和感から始まります。

ある子供が言います。

窓の外に誰かいる。

森の向こうに人がいる。

親は気にしません。

見間違いだと思います。

雪の中の木々。

夜の影。

子供の勘違い。

そう考える方が自然でした。

ですが。

翌日も。

その次の日も。

子供は同じことを言います。

そうめん
そうめん

もうこの時点で嫌だな。

司書
司書

ええ。

司書
司書

そして、その感覚は間違っていませんでした。

見られている

日を追うごとに、

目撃は増えていきます。

森の奥。

家の裏。

窓の向こう。

誰かがいる。

ですが近付こうとすると消える。

探しても見付からない。

ただ、

見られている感覚だけが残る。

家族は次第に不安になります。

それでも、

まだこの時点では誰も本当の危険を理解していません。

そうめん
そうめん

引っ越したくなるな。

司書
司書

残念ながら、それで逃げ切れた例は確認されていません。

屋根裏

やがて異変は家の中へ入ってきます。

夜中。

屋根の上から音がする。

何かが歩き回る音。

何かを引きずる音。

さらに。

家の中には異臭が漂い始めます。

腐ったような臭い。

湿った獣のような臭い。

親達も異常を認識します。

警察へ相談する者もいました。

家を見張る者もいました。

ですが。

結果は変わりませんでした。

そうめん
そうめん

もう来るじゃん……。

司書
司書

ええ。

司書
司書

十二夜目が近付いていました。

十二夜目

そして最後の夜。

SCP-4666は家へ侵入します。

その後に残されるのは、

凄惨な現場です。

家族は殺害されます。

抵抗した形跡もあります。

ですが、

誰も助かりません。

そして。

幼い子供だけが消えていました。

連れ去られるのです。

どこへ。

なぜ。

その時点では誰にも分かりませんでした。

そうめん
そうめん

助からないのか……。

司書
司書

財団も長い間、その先を知りませんでした。

最後に残るもの

事件の後。

現場から発見される物があります。

玩具です。

人形。

木のおもちゃ。

奇妙な飾り。

まるでプレゼントのように。

家族は消えた。

子供もいない。

ですが。

玩具だけは残されていました。

そうめん
そうめん

タイトルの玩具ってこれか。

司書
司書

ええ。

司書
司書

ですが、本当に恐ろしいのはここからです。

誘拐された少女

長い間、

財団は連れ去られた子供達の行方を知りませんでした。

発見されるのは現場だけ。

消えた家族だけ。

そして残された玩具だけ。

ですが。

ある日。

財団は一人の少女を保護します。

SCP-4666に連れ去られた経験を持つ子供でした。

そうめん
そうめん

生きてたのか。

司書
司書

ええ。

司書
司書

そして彼女は、その後に何が起きたのかを語りました。

地下の工房

少女が語った場所は、

地下でした。

土。

泥。

氷。

薄暗い空間。

そこには他の子供達もいました。

全員が、

どこかの家から連れ去られた子供達です。

そして彼らには仕事が与えられていました。

玩具作りです。

毎日。

来る日も来る日も。

玩具を作り続ける。

木を削る。

布を縫う。

飾りを付ける。

完成した玩具は運び出されます。

どこへ行くのか。

子供達には分かりません。

そうめん
そうめん

助かったわけじゃなかったんだな……。

司書
司書

ええ。

司書
司書

むしろ、本当の地獄はそこからだったのかもしれません。

作れなくなった子供

少女は、

ある出来事についても証言しています。

作業が出来なくなった子供がいました。

病気だったのかもしれません。

衰弱していたのかもしれません。

理由は分かりません。

ですが。

その子供は姿を消しました。

そして後日。

工房には新しい玩具が増えていました。

財団は断定していません。

少女も断定していません。

ですが。

記録を読んだ多くの人は、

同じことを考えます。

そうめん
そうめん

……。

司書
司書

言葉にしない方がいいこともあります。

なぜSCP-4666は有名なのか

SCP-4666は、

クリスマスの怪物として有名です。

ですが。

本当に印象に残るのは怪物ではありません。

残された家族です。

連れ去られた子供達です。

そして。

玩具の意味を知ってしまうことです。

だからこのSCPは、

今も多くの読者に語り継がれています。

本当に怖いのは何だったのか

そうめん
そうめん

結局、一番怖いのってユールマンか?

司書
司書

いいえ。

そうめん
そうめん

じゃあ何だ。

司書
司書

助からないことです。

窓の外に姿が見える。

屋根の上を歩く音がする。

異臭が漂う。

危険は何度も警告されます。

ですが。

誰も助かりません。

家族も。

子供達も。

だからSCP-4666は恐ろしいのです。

怪物そのものではなく。

救いが存在しないことが。

まとめ

SCP-4666は、

毎年クリスマスの時期に現れる怪物です。

ですが。

本当に恐ろしいのは、

怪物が現れることではありません。

連れ去られた子供達の行方です。

残された玩具の意味です。

そして、

その結末を誰も知らないことです。

だからこそ。

SCP-4666は今も、

SCP界でも特に後味の悪い怪物として語られ続けています。

司書
司書

今夜の記録はここまでです。

また次の資料でお会いしましょう。

出典

作品名:SCP-4666 – The Yule Man

著者:Hercules Rockefeller

原文:SCP Foundation

SCP-4666 – SCP Foundation
The SCP Foundation's 'top-secret' archives, declassified for your enjoyment.

ライセンス

本記事は、SCP Foundation掲載作品「SCP-4666 – The Yule Man」(著者:Hercules Rockefeller)をもとにした解説記事です。

原作はCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで公開されています。

おまけ

そうめん
そうめん

子供達は助からなかったのかな。

司書
司書

分かりません。

司書
司書

ですが、玩具だけは残りました。

コメント