SCP-1012――世界で最も危険な音楽

SCP資料
司書
司書

ようこそ、深夜資料室へ。

音楽には力があります。

人を励ます力。

涙を誘う力。

時には人生そのものを変える力。

ですが。

もしその音楽が、

世界を終わらせる力を持っていたとしたら。

今夜の資料はSCP-1012。

通称『秘密の音色』。

たった5つの音が持つ、

あまりにも静かな脅威の記録です。

そうめん
そうめん

タイトルだけ聞くと綺麗なのに、

開幕から世界終わりそうなんだが。

SCP概要

司書
司書

SCP-1012は楽譜ではありません。

楽器でもありません。

作曲家ですらありません。

SCP-1012とは、

特定の5音によって構成される和音そのものです。

そうめん
そうめん

和音?

音の組み合わせってことか?

司書
司書

ええ。

そして問題は、

その5音が正しく再現された瞬間に起こります。

周囲の物質が崩壊を始めるのです。

そうめん
そうめん

……え?

司書
司書

しかも単なる爆発ではありません。

理論上、

その現象は連鎖し続ける可能性があります。

そうめん
そうめん

ちょっと待て。

それもう怪物とかのレベルじゃないだろ。

5つの音が揃った時

危険なのは音量ではない。

演奏者でもない。

感情でもない。

ただ、

正しい音程が揃うこと。

それだけだ。

音は目に見えない。

形もない。

だが確かに存在する。

そして一度鳴れば、

取り返しがつかない。

そうめん
そうめん

なんか不公平だな。

避けようがないじゃん。

司書
司書

そこがこの作品の恐ろしいところです。

核兵器なら見えます。

怪物なら逃げられます。

しかし音は違う。

誰かが偶然奏でる可能性すらあるのです。

財団は何を収容したのか

そうめん
そうめん

じゃあ楽譜燃やせば終わりじゃないの?

司書
司書

残念ながら違います。

音楽は紙の上だけに存在しているわけではありません。

誰かが発見するかもしれない。

偶然辿り着くかもしれない。

財団が恐れたのはそこです。

そうめん
そうめん

つまり、

存在を消せないのか。

司書
司書

ええ。

だから財団は別の方法を選びました。

SCP-1012を収容するのではなく、

世界の方を書き換えたのです。

世界はいつから変わっていたのか

スピーカー。

録音機器。

放送設備。

音響機材。

それらは少しずつ変更される。

誰も気付かない程度に。

誰も疑わない程度に。

ただ一つの和音が再現されないように。

そうめん
そうめん

待て。

それってつまり。

司書
司書

そうです。

私たちが普段使う音響機器の多くは、

SCP-1012を防ぐために調整されています。

そうめん
そうめん

怖っ。

今まで普通の規格だと思ってたわ。

司書
司書

読者の多くがそこで寒気を覚えます。

この作品の主役は危険な音ではありません。

その音を封じるために改造された世界なのです。

なぜ秘密の音色は恐ろしいのか

司書
司書

怪物は登場しません。

悪意ある犯人もいません。

それでもSCP-1012は恐ろしい。

そうめん
そうめん

分かる気がする。

なんかずっと身近なんだよな。

司書
司書

ええ。

なぜなら、

危険が特別な場所にないからです。

音楽はどこにでもある。

ラジオにも。

ライブ会場にも。

スマートフォンにも。

その日常の中に、

世界を終わらせる可能性が隠れている。

秘密は地下施設に眠っていない。

秘密は日常に溶け込んでいる。

だから誰も気付かない。

そして、

気付かないことこそが収容なのだ。

まとめ

司書
司書

SCP-1012は音楽の物語です。

ですが、

それ以上に収容の物語でもあります。

財団は怪物を閉じ込めませんでした。

危険な音を破壊もしませんでした。

代わりに、

世界そのものを変えた。

私たちが気付かないほど静かに。

だからこの作品を読み終えた後、

読者は音楽が怖くなるわけではありません。

むしろ逆です。

今まで当たり前だと思っていた世界へ、

少しだけ不安を覚えるのです。

もし本当にそんな音が存在したなら。

もし本当に誰かがそれを隠していたなら。

そして、

もし私たちがその恩恵を知らないまま生きていたなら。

司書
司書

今夜の記録はここまでです。

また次の資料でお会いしましょう。

出典

作品名:SCP-1012「Secret Chord(秘密の音色)」

著者:DrClef

原作:
https://scp-wiki.wikidot.com/scp-1012

SCP Foundation:
https://scp-wiki.wikidot.com/

ライセンス

本記事はCC BY-SA 3.0ライセンスのもと公開されているSCP Foundationの設定・文章を引用・翻案しています。

ライセンス:
https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/

そうめん
そうめん

ちょっと昔好きだった曲聴きたくなったな。

司書
司書

それも良い記録の残し方です。

そうめん
そうめん

便利だな音楽って。

コメント