もしこの世界が「物語」なら、私たちの人生に意味はあるのか――SCP-399-JPと書かれた世界

SCP資料
そうめん
そうめん

たまにあるじゃん。「この世界って誰かが作ったゲームなんじゃないか」みたいな話。

司書
司書

シミュレーション仮説のようなものですね。

そうめん
そうめん

まあ、本当だったとしても別に生活は変わらんけど。

司書
司書

では。

司書
司書

作った誰かが、あなたの人生を書き換えられるとしたら?

そうめん
そうめん

……それは嫌だな。

司書
司書

今夜の資料は、その境界が少し曖昧です。

物語には。

作者がいる。

登場人物がいる。

そして。

読者がいる。

登場人物は。

自分が物語の中にいることを知らない。

彼らにとって。

そこで起きていることは。

すべて現実だ。

出会いも。

別れも。

喜びも。

死も。

しかし。

ページの外にいる私たちは知っている。

その世界は。

誰かによって書かれたものだと。

では。

私たちの世界だけが、そうではないと言い切れるだろうか。

SCP Foundationで公開されている創作作品。

SCP-399-JP。

この記録が扱うのは。

怪物でも。

呪われた道具でもない。

「自分たちの世界そのものが創作物かもしれない」という異常だった。

財団が見つけた「上の世界」

財団は。

世界に存在する異常を研究している。

だが。

研究を続ける中で。

奇妙な可能性へ辿り着く。

自分たちが暮らしている現実より。

さらに上位の。

別の現実が存在している。

そして。

そこから。

こちら側の世界へ。

情報が流れ込んでいる。

それは。

未来予知のようなものではない。

世界そのものについて。

外側から記述された。

文章。

つまり。

財団の世界を「物語」として扱っている記録だった。

そうめん
そうめん

自分たちの世界について書かれた小説を見つけた、みたいな感じ?

司書
司書

かなり近いですね。

そうめん
そうめん

でも偶然似てるだけかもしれないじゃん。

司書
司書

それなら、まだ安心できたでしょう。

書かれたことが、現実になる

問題は。

その文章と。

現実との関係だった。

そこに書かれた出来事が。

こちら側の世界で起きる。

人物。

場所。

異常存在。

財団内部の出来事。

まるで。

こちら側が。

文章に従って動いているかのように。

もし。

文章が現実を予言しているだけなら。

まだ説明はできる。

だが。

財団が直面した可能性は。

もっと厄介だった。

文章が未来を記録しているのではない。

文章があるから、こちらの現実がそうなる。

つまり。

原因と結果が。

逆だった。

こちらから見れば神に近い存在

物語の登場人物から見れば。

作者は。

ほとんど神に近い。

雨を降らせる。

事故を起こす。

人を出会わせる。

誰かを殺す。

世界そのものを。

終わらせることさえできる。

登場人物が。

どれほど努力しても。

作者が。

「失敗した」と書けば。

失敗する。

「死んだ」と書けば。

死ぬ。

そして。

登場人物から。

作者へ手を伸ばすことは。

通常できない。

ページの中から。

ページの外へは。

出られないからだ。

SCP-399-JPが不気味なのは。

財団という。

数え切れない異常を管理してきた組織でさえ。

自分たち自身が管理される側かもしれない。

という可能性に触れてしまうところにある。

では、自由意志は存在するのか

ここで。

ひとつの疑問が生まれる。

もし。

自分の行動が。

すでに誰かによって書かれているなら。

自分で選んだと思っていることも。

本当に。

自分の選択なのだろうか。

今日。

この記事を開いたこと。

ここまで読み続けたこと。

途中で閉じなかったこと。

それさえ。

最初から決められていたとしたら。

「自分で決めた」という感覚は、何なのだろう。

そうめん
そうめん

それ考え始めると、何しても「そう書かれてたから」にならない?

司書
司書

そうですね。

そうめん
そうめん

じゃあ頑張る意味もなくなるじゃん。

司書
司書

本当にそうでしょうか。

物語の中では、それでも本物だった

小説を一冊。

思い浮かべてみる。

登場人物が。

誰かを愛する。

私たちは。

それが作者によって書かれたものだと知っている。

それでも。

物語の中では。

その愛情は本物だ。

誰かが傷つけば。

その痛みも。

物語の中では本物だ。

登場人物が。

勇気を出して。

何かを選んだなら。

たとえ。

作者がその選択を書いていたとしても。

その人物にとって。

選択したという経験まで。

消えるわけではない。

なら。

仮に。

私たちの世界にも。

作者がいたとして。

それだけで。

今日まで生きてきた時間が。

偽物になるのだろうか。

悲しかったこと。

嬉しかったこと。

誰かを好きになったこと。

何かを諦めたこと。

もう一度やってみようと思ったこと。

それらまで。

意味を失うのだろうか。

物語であることと、そこで起きたことに意味がないことは、同じではない。

作者にも、すべては決められない

そして。

物語には。

もうひとつ。

面白い性質がある。

作者が書いた瞬間。

物語は。

作者だけのものではなくなる。

読む人によって。

意味が変わる。

同じ文章でも。

ある人には。

希望の話に見える。

別の人には。

悲しい話に見える。

作者が。

すべての意味まで。

支配できるわけではない。

そう考えると。

たとえ。

この世界の外側に。

何かがいたとしても。

私たちが。

その世界の意味まで。

完全に奪われているとは限らない。

この文章を読んでいるのは、誰なのか

SCP-399-JPのような物語は。

少しだけ。

読者の立っている場所を。

不安定にする。

普通。

私たちは。

物語の外にいる。

登場人物を読む側だ。

しかし。

もし。

その外側にも。

さらに外側があるなら。

私たちもまた。

誰かにとって。

登場人物なのかもしれない。

その可能性を。

完全に否定する方法はない。

だが。

仮にそうだったとしても。

明日の朝。

私たちは起きる。

腹が減る。

仕事へ行く。

誰かと話す。

笑う。

悩む。

そして。

何かを選ぶ。

世界の外側に。

誰がいるとしても。

その選択を経験するのは、ここにいる私たちだ。

そうめん
そうめん

結局、この世界が物語かどうかなんて分からないのか。

司書
司書

おそらく、確かめる方法もないでしょう。

そうめん
そうめん

じゃあ考えても仕方ない気もするな。

司書
司書

そうかもしれません。

そうめん
そうめん

……でも、もし誰かが書いてるならさ。

司書
司書

はい。

そうめん
そうめん

もうちょっと楽な展開にしてほしいな。

司書
司書

それは私も同感です。

司書
司書

ただ。

司書
司書

この一文を読んだあと。

司書
司書

次に何をするのかだけは。

司書
司書

あなた自身が決めたと思っておきましょう。

司書
司書

少なくとも。

司書
司書

こちら側からは、それを確かめる方法がありませんから。

司書
司書

今夜の記録はここまでです。

司書
司書

また次の資料でお会いしましょう。

資料・出典

SCP-399-JPは、SCP Foundation日本支部で公開されている創作作品です。本記事では、原典で扱われる物語・現実・上位世界の関係をもとに、「自分たちの現実が誰かに記述されたものだった場合、自由意志や人生の意味は失われるのか」という視点から整理・考察しています。SCP-399-JPおよびSCP Foundationに関する記述は創作上の設定です。

原典:SCP-399-JP(SCP Foundation日本支部、CC BY-SA 3.0)

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