
9つの部屋を通り抜けるだけで500ドル。これなら、ちょっと怖くても行けそうじゃない?

その考えで入った人間が、最後まで辿り着けないそうです。

……お化け屋敷なんだよね?

入口では、そう見えます。
NoEnd House
「NoEnd House(ノーエンド・ハウス)」は、インターネット上で広まった海外のホラー作品、いわゆるクリーピーパスタの一つです。
物語の中心にいるのは、デヴィッドという男。
彼は友人のピーターから、奇妙な場所について聞かされます。
その名は、NoEnd House。
街の外れにある建物で、ルールは非常に単純でした。
全部で9つある部屋を最後まで通り抜ければ、500ドル。
ただし、これまで最後まで辿り着いた者はいない。
ピーター自身も挑戦し、途中で逃げ出したといいます。
デヴィッドは忠告を深刻には受け取りませんでした。
所詮は、少し凝ったお化け屋敷。
9部屋を歩くだけで500ドルなら、悪くない。
そう考えた彼は、翌日の夜、NoEnd Houseへ向かいます。
最初の部屋
建物に入ると、そこには安っぽいハロウィンの飾り付けがありました。
拍子抜けするほど普通です。
そして、最初の部屋も大したものではありません。
不気味な装飾。
暗い室内。
驚かせるための仕掛け。
これなら簡単だ。
しかし、部屋を一つ進むたびに、NoEnd Houseは少しずつ「お化け屋敷」では説明できない場所へ変わっていきます。
部屋は、挑戦者を知っている
先へ進むほど、恐怖は単なる演出ではなくなります。
臭い。
痛み。
自分自身に関係するもの。
そして、現実には存在するはずのない光景。
NoEnd Houseは、誰にでも同じ恐怖を見せているわけではないようでした。
まるでデヴィッドの記憶や感情を知り、それを材料にして部屋を作り変えているかのように。

それ、お化け屋敷側がこっちのこと知ってるってこと?

少なくともデヴィッドには、そう思える出来事が続きます。
それでも、引き返さなかった
普通なら逃げ出してもおかしくありません。
実際、途中には建物から出る機会もあります。
それでもデヴィッドは進みます。
もはや500ドルのためだけではありません。
ここまで来た以上、最後を確かめたい。
その気持ちが、彼を次の扉へ向かわせます。
そしてついに、最後の部屋へ辿り着きました。
9番目の部屋
最後の部屋で待っていたのは、派手な怪物ではありませんでした。
むしろ、それまで存在していたものが失われていきます。
視覚。
聴覚。
触覚。
自分がどこにいるのかさえ分からなくなるような、完全な感覚の喪失。
デヴィッドは、それを地獄だと感じます。
どれほど時間が経ったのかも分からない。
しかしやがて、暗闇の中に光が現れます。
出口です。
彼がその扉を抜けると――そこはNoEnd Houseの最初のロビーでした。
500ドル
ロビーは、入ってきたときと変わりません。
受付には、一通の封筒が置かれていました。
中には、NoEnd Houseを最後まで突破したことを祝うメッセージ。
そして約束どおり、100ドル札が5枚。
500ドル。
本当に賞金は用意されていました。
デヴィッドは笑いながら建物を出ます。
車に乗る。
自宅まで帰る。
玄関の前に立つ。
終わった。
9つの部屋を突破し、賞金を受け取り、無事に家へ帰ってきた。
そのはずでした。
10
自宅の玄関を開けようとしたデヴィッドは、そこであるものに気づきます。
ドアに、小さく数字が刻まれていました。
「10」
NoEnd Houseには、全部で9つの部屋しかないはずでした。
ならば。
彼が帰ってきたと思っているこの場所は、本当に自宅なのでしょうか。

……そこで終わるの?

原作の最初の物語は、この「10」で読者を残します。

じゃあ、9番目の部屋から出られてない可能性もあるってこと?

あるいは、出たあともNoEnd Houseが続いているのかもしれません。
なぜNoEnd Houseは怖いのか
NoEnd Houseには、非常に分かりやすいルールがあります。
9つの部屋。
最後まで行けば500ドル。
だから読者も、無意識に「9まで行けば終わる」と考えます。
ところが最後に現れるのは「10」。
恐怖の中心にあるのは、10番目の部屋で何が起きるのかではありません。
どこからが10番目の部屋なのか分からない。
そこにあります。
玄関なのか。
自宅全体なのか。
それとも、NoEnd Houseを出たと思った瞬間から始まっていたのか。
物語は、その答えを示しません。
実話なのか
NoEnd Houseは、実在するお化け屋敷の体験談ではなく、インターネット上で広まったフィクションです。
作品はBrian Russell名義で知られ、2010年前後からネット上で広まったとされています。
その後、続編も作られ、海外のネットホラーを代表する作品の一つとして知られるようになりました。
さらに2017年には、クリーピーパスタを原案としたテレビシリーズ「Channel Zero」の第2シーズン「No-End House」の原案にも採用されています。
ただしテレビ版は原作をそのまま映像化したものではなく、基本設定をもとに大きく物語を膨らませた作品です。
まとめ
9つの部屋を通り抜ければ500ドル。
非常に単純な挑戦から始まったNoEnd House。
しかしデヴィッドが最後に見つけた「10」は、それまで読者が信じていたルールそのものを壊します。
終わったと思った場所が、次の部屋かもしれない。
そう考えると、NoEnd Houseという名前の意味も変わってきます。

NoEndって……最初から答え書いてあったんじゃない?

「終わりのない家」ですからね。

じゃあ、500ドルもらったところで終わりじゃないんだ。

少なくとも、玄関には次の番号が残っていました。
出典・参考
本記事は、Brian Russell名義で知られるホラー作品「NoEnd House」の内容・成立背景について、公開情報をもとに紹介・考察したものです。原作はフィクションであり、実在のお化け屋敷を紹介する記事ではありません。
- Brian Russell「NoEnd House」
- Creepypasta Wiki「NoEnd House」
- GameSpot「Horror Anthology Channel Zero And The Challenge Of Hunting Down Creepypastas」(2017)



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