夢――なぜ人は夢を怖がるのか

怪異記録

怪異記録概要

司書
司書

ようこそ、深夜資料室へ。

今夜の資料は夢です。

人は人生のおよそ三分の一を眠って過ごします。

それなのに。

その時間に何が起きているのかを、

私達はほとんど知りません。

夢はただの脳の働きなのでしょうか。

それとも。

昔の人々が信じたように、

何かを伝える窓だったのでしょうか。

今夜は「夢」という怪異を辿ってみましょう。

そうめん
そうめん

毎日見るのに、

一番よく分からないものかもしれないな。

昔の人は夢をどう考えたのか

司書
司書

昔の人は夢を、

単なる幻とは考えていませんでした。

神のお告げ。

未来を知らせる予兆。

亡くなった人からの伝言。

夢は現実とは別の世界から届くものだと信じられていたのです。

そうめん
そうめん

だから初夢とか夢占いがあるのか。

司書
司書

ええ。

初夢で一年の吉凶を占ったり、

夢の内容から未来を読み解こうとしたり。

夢は眠っている間の出来事ではなく、

意味を持つ出来事だったのです。

正夢は本当にあるのか

そうめん
そうめん

でもさ。

正夢って本当にあるのか?

司書
司書

そう感じた経験がある人は少なくありません。

夢で見た景色。

初めて来たはずなのに、

知っている気がする場所。

後になって、

「あの夢と同じだ。」

と思うことがあります。

そうめん
そうめん

俺も一回だけある気がする。

司書
司書

ですが。

それが未来を見たのか。

偶然なのか。

脳が後から記憶を結び付けたのか。

今でも答えは出ていません。

金縛りは怪異なのか

司書
司書

昔。

金縛りは霊の仕業と考えられていました。

そうめん
そうめん

怖い話では定番だよな。

司書
司書

現在では、

睡眠中に意識だけが先に目覚める

「睡眠麻痺」と考えられています。

体は眠ったまま。

意識だけが起きている。

その状態で幻覚を見ることもあります。

そうめん
そうめん

科学で説明できるのか。

司書
司書

ですが。

胸の上に誰かがいる。

部屋の隅に人影が立っている。

そうした体験談は世界中で驚くほど共通しています。

そうめん
そうめん

説明できても、

怖さまでは消えないんだな。

夢枕はなぜ語り継がれるのか

司書
司書

夢には、

亡くなった人が現れる話も数多くあります。

そうめん
そうめん

夢枕に立つってやつか。

司書
司書

ええ。

最後の別れ。

伝えられなかった言葉。

危険を知らせる警告。

夢は死者と生者を繋ぐ場所とも考えられていました。

そうめん
そうめん

昔話でも結構あるな。

司書
司書

現代でも、

「最後に夢へ会いに来てくれた。」

そう語る人は少なくありません。

夢だからこそ、

伝えられる思いがあるのかもしれません。

悪夢はなぜ見るのか

そうめん
そうめん

悪夢って、

なんで見るんだろうな。

司書
司書

強いストレス。

不安。

恐怖。

そうした感情が夢へ現れることがあります。

ですが興味深いことに、

悪夢の内容は世界中でよく似ています。

追いかけられる。

落ちる。

逃げられない。

声が出ない。

そうめん
そうめん

みんな同じなんだな。

司書
司書

人間が共通して抱える恐怖なのかもしれません。

明晰夢という不思議な夢

司書
司書

夢だと気付きながら、

夢を見続ける人もいます。

そうめん
そうめん

明晰夢か。

聞いたことある。

司書
司書

自由に空を飛ぶ。

景色を変える。

夢を操作する。

そうした体験を語る人もいます。

そうめん
そうめん

ちょっとやってみたいな。

司書
司書

ですが。

目覚めようとしても目覚められない。

夢の中で何度も目覚めたと思った。

そうした体験談もあります。

そうめん
そうめん

それ怖すぎるだろ。

司書
司書

夢と現実の境界は、

時に私達が思うより曖昧なのです。

猿夢のような夢怪談

司書
司書

怪談にも、

夢を題材にしたものは数多くあります。

そうめん
そうめん

猿夢もその一つか。

司書
司書

ええ。

夢だから安全。

そう思っていたはずなのに、

目覚めても恐怖だけが残る。

夢は現実ではありません。

ですが。

現実へ恐怖を持ち帰ることはできます。

そうめん
そうめん

夢って、

起きても終わらないことがあるんだな。

司書
司書

ええ。

だから夢怪談は、

他の怪談より後味が悪いのです。

読み終えた後も。

眠るたびに、

「あの夢を見るかもしれない。」

そう思わせてしまいます。

そうめん
そうめん

読むたびじゃなくて、

寝るたびに思い出すのか。

司書
司書

夢は毎晩訪れます。

だから怪談も、毎晩思い出せてしまうのです。

なぜ人は夢を怖がるのか

そうめん
そうめん

結局。

夢って何が怖いんだろうな。

司書
司書

夢そのものではありません。

夢の中では、

人は現実と区別がつかなくなるのです。

そうめん
そうめん

確かに。

夢の中じゃ全部本当だと思ってる。

司書
司書

ええ。

だから目覚めた後、

「あれは夢だった。」

と何度も確認したくなる。

その一瞬だけ。

夢と現実の境界が曖昧になる。

そこに、

人は恐怖を感じるのかもしれません。

まとめ

司書
司書

神のお告げ。

正夢。

金縛り。

夢枕。

明晰夢。

そして夢怪談。

夢は昔から、

現実と異界の境界として語られてきました。

そうめん
そうめん

毎日見てるのに、

一番不思議なものかもしれないな。

司書
司書

眠るたびに訪れる世界。

だからこそ人は、

夢へ意味を求め続けたのでしょう。

今夜の記録はここまでです。

また次の資料でお会いしましょう。

出典

・夢占い・初夢に関する民俗学資料

・睡眠麻痺および夢研究に関する心理学・医学資料

・夢枕・予知夢に関する民間伝承

・明晰夢に関する睡眠研究資料

・夢怪談・都市伝説資料

おまけ

そうめん
そうめん

夢と現実って、

どうやって見分けてる?

司書
司書

簡単ですよ。

そうめん
そうめん

教えてくれ。

司書
司書

目が覚めれば分かります。

そうめん
そうめん

……。

司書
司書

本当に目覚めていれば、ですが。

コメント