写真――なぜ心霊写真は生まれるのか

怪異記録

怪異記録概要

司書
司書

ようこそ、深夜資料室へ。

今夜の資料は写真です。

おそらく今この瞬間も、

誰かが写真を撮っているでしょう。

旅行の記念。

家族との思い出。

何気ない日常。

ですが。

写真には昔から奇妙な話が付きまとってきました。

魂を吸われる。

幽霊が写る。

見てはいけないものが残る。

今夜は、そんな写真の怪異を辿ってみましょう。

そうめん
そうめん

心霊写真ってやつか。

昔めちゃくちゃ流行ったよな。

司書
司書

ええ。

ですが。

今夜の話は幽霊だけではありません。

むしろ。

なぜ人は写真を怖がるのか。

そこから見ていきましょう。

魂を写す箱

司書
司書

写真が発明された当時。

それは魔法のような技術でした。

そうめん
そうめん

まぁ昔の人からしたらそうだろうな。

司書
司書

自分の姿が紙に残る。

今では当たり前ですが、

当時は信じられない出来事だったのです。

そうめん
そうめん

確かに。

初めて見たら怖いかもしれん。

司書
司書

そのため世界には、

写真を撮られると魂を奪われる。

そう信じる人々もいました。

そうめん
そうめん

魂か。

司書
司書

笑い話に聞こえるかもしれません。

ですが。

自分自身が紙の中へ閉じ込められる。

そう考えれば、

少しだけ理解できる気もします。

遺影はなぜ特別なのか

司書
司書

写真には不思議な性質があります。

そうめん
そうめん

なんだ?

司書
司書

写真そのものは変わらないのです。

そうめん
そうめん

司書
司書

例えば家族写真。

撮ったその日は、

ただの一枚かもしれません。

ですが。

何年も後に見返すと、

まったく違う意味を持つことがあります。

そうめん
そうめん

ああ……。

司書
司書

遺影もそうです。

写真は変わらない。

変わるのは、

それを見る人の気持ちです。

そうめん
そうめん

同じ写真なのにな。

司書
司書

だから人は、

写真に特別な感情を抱くのかもしれません。

心霊写真

司書
司書

写真の怪談で最も有名なのは、

やはり心霊写真でしょう。

そうめん
そうめん

肩の後ろに顔があるやつだな。

司書
司書

ええ。

昔はテレビでも頻繁に取り上げられていました。

そうめん
そうめん

あったなぁ。

夏になると必ずやってた。

司書
司書

ですが興味深いことに、

多くの心霊写真には共通点があります。

そうめん
そうめん

共通点?

司書
司書

言われるまで気付かないのです。

そうめん
そうめん

あ。

確かに。

司書
司書

誰かに指摘されて初めて見える。

そして一度見えてしまうと、

もう顔にしか見えなくなる。

そういう写真が非常に多いのです。

人は顔を探してしまう

司書
司書

実は人間には、

顔を見つける能力があります。

そうめん
そうめん

能力?

司書
司書

ええ。

雲。

木目。

壁のシミ。

コンセント。

人は様々なものを顔として認識します。

そうめん
そうめん

言われると見えてくるやつか。

司書
司書

心理学では、

これをパレイドリア現象と呼びます。

そうめん
そうめん

名前あるのかよ。

司書
司書

ええ。

そして一度顔に見えてしまうと、

脳はそれを顔として処理し続けます。

そうめん
そうめん

なるほど。

だから心霊写真っぽく見えるのか。

昔の写真はなぜ怖いのか

そうめん
そうめん

そういえばさ。

昔の写真ってなんか怖くないか?

司書
司書

それも理由があります。

昔のカメラは、

長時間じっとしている必要がありました。

そうめん
そうめん

笑顔キツそうだな。

司書
司書

その通りです。

そのため多くの人は無表情でした。

そうめん
そうめん

だから怖く見えるのか。

司書
司書

ええ。

私達は笑顔の写真に慣れています。

だから無表情の集合写真を見ると、

どこか不自然さを感じるのです。

なぜ心霊写真は生まれるのか

そうめん
そうめん

結局。

心霊写真ってなんなんだろうな。

司書
司書

本当に幽霊が写ったのか。

それは分かりません。

ですが。

一つ確かなことがあります。

そうめん
そうめん

なんだ?

司書
司書

人は写真へ意味を見出してしまうのです。

そうめん
そうめん

意味?

司書
司書

顔を探す。

思い出を重ねる。

亡くなった人を思い出す。

そして時には、

そこにいないはずの誰かを見つけてしまう。

そうめん
そうめん

写真の問題じゃなくて、

人間の方なのか。

司書
司書

ええ。

心霊写真が生まれる理由も、

案外そこにあるのかもしれません。

まとめ

司書
司書

魂を吸う写真。

遺影。

心霊写真。

パレイドリア現象。

写真はただの記録でありながら、

昔から怪異と結び付けられてきました。

そうめん
そうめん

なんか昔のアルバム見たくなってきたな。

司書
司書

もし見返すのであれば、

最後のページまで確認することをおすすめします。

そうめん
そうめん

なんでだよ。

司書
司書

そこに何が写っているかではなく、

何を思い出すかの方が重要ですから。

今夜の記録はここまでです。

また次の資料でお会いしましょう。

出典

・写真と魂に関する各国の民俗伝承

・心霊写真に関する都市伝説・メディア史

・パレイドリア現象に関する心理学資料

・写真史および初期写真技術に関する資料

・遺影文化に関する民俗学資料

おまけ

そうめん
そうめん

昔の写真ってさ。

見返すと意外と覚えてないんだよな。

司書
司書

写真は記録しますが、

記憶までは残してくれませんからね。

そうめん
そうめん

じゃあ何のために撮るんだ?

司書
司書

忘れるためかもしれません。

そうめん
そうめん

急に深いこと言うな。

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