
ようこそ、深夜資料室へ。
子供の頃だけ知っていたものはありますか。
誰も教えていない遊び。
意味も分からず口にしていた言葉。
今では思い出せない約束。
大人になるにつれて、
私たちは多くのことを忘れていきます。
ですが。
もし子供たちだけが知っていて、
大人は誰も知らないものがあったとしたら。
今夜の記録はヒサルキ。
ネット怪談の中でも、
ひときわ奇妙な存在です。
なぜなら。
この怪談には最後まで正体が存在しないからです。
怪異記録概要

ヒサルキはインターネット掲示板へ投稿された怪談です。
舞台はある保育園。
そして物語は、
動物の死骸が発見されるところから始まります。

いきなり嫌な始まりだな。

ええ。
ですが本当に奇妙なのは、
その後なのです。
柵に刺された動物たち

保育園の近くには墓地がありました。
ある日、
その柵に虫が刺さっていました。
次の日にはトカゲ。
さらに猫。
やがて別の動物も。
誰かのいたずらなのか。
何かの儀式なのか。
誰にも分かりません。
不気味ではありましたが、
まだ理解できる範囲の出来事でした。
しかし。
ある日。
保育園で飼われていたウサギまで刺されていたのです。

もう完全に事件じゃん。

保母たちもそう思いました。
だから子供たちへ聞いたのです。
「誰か見た?」
と。
ヒサルキだよ

すると子供たちは答えました。
「ヒサルキだよ」
まるで当然のことのように。
一人ではありません。
複数の子供が、
同じ名前を口にしました。

待て。
なんで知ってるんだ?

そこなのです。
大人は誰も知りませんでした。
保母も。
親も。
近所の人も。
誰一人として、
ヒサルキという名前を知りません。
それなのに、
子供たちだけは当然のように知っている。
この怪談で最も不思議なのは、
怪物の存在ではなく、
その知識の共有なのかもしれません。
描かれた絵

調べるうちに、
ある話が見つかります。
昔。
一人の園児が、
ヒサルキの絵を描いていたというのです。

その子はヒサルキを知っていた。
絵に描いていた。
しかし。
その後、
突然引っ越してしまったという。
そして最後に見た時。
その子は両目に眼帯をしていました。

……。

ええ。
理由は語られません。
何があったのかも分かりません。
だからこそ、
妙に気になるのです。
ヒサルキは何だったのか

ここからは考察です。
ヒサルキの正体は分かりません。
原典にも書かれていません。
姿も。
能力も。
目的も。
最後まで説明されません。

じゃあ何を考察するんだ?

私は、
ヒサルキそのものより、
子供たちの方が不思議でした。

子供たち?

ええ。
なぜ知っていたのでしょう。
誰も教えていない。
大人も知らない。
それなのに、
子供たちは当然のように名前を口にする。

怪物がいたのかもしれない。
誰かのいたずらだったのかもしれない。
全く別の何かだったのかもしれない。
ですが。
どんな解釈をしても、
「なぜ子供たちは知っていたのか」
だけは残ります。
その後語られたヒサルキ

ヒサルキの話は、
発祥の怪談だけでは終わりませんでした。

後年。
ヒサルキについて語る人々の中には、
奇妙な話を残した者もいます。
ある投稿者は、
ヒサルキの話をした友人が、
突然自分の目を傷付けたと語っています。
理由は分かりません。
本人も何も説明しなかったそうです。
もちろん。
その話が事実だったのかは分かりません。

ただの作り話かもしれないしな。

ええ。
ですが少しだけ気になるのです。
発祥の怪談にも、
両目に眼帯をした子供が登場します。
偶然かもしれません。
何の関係もないのかもしれません。
それでも。
こうした話が繰り返し語られるたび、
あの眼帯の子を思い出してしまうのです。
まとめ

ヒサルキは正体不明の怪談です。
怪物の姿も分かりません。
真相も分かりません。
犯人も分かりません。
ですが。
だからこそ今も語られ続けています。

私が最後まで気になったのは、
ヒサルキの正体ではありません。
なぜ子供たちは、
あれを知っていたのでしょう。
そして。
私たちは本当に、
知らなかったのでしょうか。

今夜の記録はここまでです。
また次の資料でお会いしましょう。
出典
作品名:ヒサルキ
初出:2ちゃんねる オカルト板「洒落にならないほど怖い話を集めてみない?」投稿作品
ライセンス
本記事はインターネット上で公開された怪談「ヒサルキ」をもとに解説・考察したものです。
おまけ

司書、もし保育園児に「ヒサルキだよ」って言われたらどうする?

とりあえず帰ります。

先生助けろよ。



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